島の恵みをいただきます

野菜に鮮魚、お肉や果物。沖縄の島の恵みがたっぷりと味わえるオススメのお店を、独自の視点でその魅力を切り取る編集者「セソコ マサユキ」が連載していきます。

沖縄の太陽のめぐみと潮風がおいしさの秘密。
本部町のアセロラづくりを支える「アセローラフレッシュ」

「温暖な気候で育つアセロラの露地栽培ができるのは、日本では亜熱帯気候に属する沖縄だけなんです」
そう語るのは、本島北部・本部町で、日本一の量を誇るアセロラの生産を支えている「アセローラフレッシュ」代表の並里 哲子さん。30ものアセロラ農家と契約し、農家さんの育成からアセロラの集荷・出荷、さらに加工品づくりや、その販売まで行っている。

アセロラのおいしさの秘密は、太陽の恵み。日の光を浴びれば浴びるほど、甘くなり、ビタミンCを豊富に含むようになるといわれている。本部町は山がちで斜面が多いので、1本1本の木に日が当たりやすい。さらに水はけが良いので、アセロラに余計な水分が含まれず、甘みがギュッと濃縮されるのだという。また、海に近いので潮風がミネラルを運んできてくれるのだそうだ。だから「特に本部はアセロラ栽培に適した場所なんです」と、並里さん。

背の高いハイビスカスで覆われた畑の入り口は、まるでおとぎの国へ続くトンネルのよう。大人も腰をかがめて入るのがやっとの広さだ。通り抜けて辺りを見回すと、まるい樹形をした、可愛らしいアセロラの木がいくつも並んでいた。ちょうど収穫中の農家さん。アセロラの収穫は5~11月の間に、年5回ほど行われるのだそうだ。沖縄の夏の風物詩である台風で果実を落とさないよう、月桃やゲッキツ(柑橘類)、ハイビスカスなどを防風林にしてアセロラを守っている。赤い花に囲まれたアセロラ畑は、まるで別世界のよう。

「食べてみて」といわれて、さっそく真っ赤な果実を採って一粒いただく。並里さんが契約している農家さんはすべて無農薬栽培。虫がつかないよう、牛乳やコーレグースを薄めてかけたり、毛虫をひとつひとつお箸でとったり、手間暇かけて育てている。だから洗わずに、採ったそのまま皮ごと食べられるのだ。

どうしても酸っぱいイメージが強かったアセロラだけど、食べてみるとその甘さに驚く。アセロラは “鮮度が命”、収穫後2~3日しか日持ちしないから果実を手にする機会が少ないけれど、実は生のフルーツとしても十分においしい。

熟成した果実は痛みやすいので、収穫にもやさしさが必要。燦々と太陽の光がふりそそぐ畑で、農家さんは丁寧に手摘みしていく。15分ほど収穫しては休憩を取りながら、ゆっくりと。時間と労力をかけて、ようやくその甘い一粒ができるのだ。

そんな“甘い”アセロラ果汁で作られているのが「アセローラフローズン」。「第6回ニッポン全国おやつランキング」で1位を獲得した、いま話題のドリンクだ。作り方はとてもシンプル。アセロラの果汁と皮ごとピューレ状にしたものとをブレンドし、氷を入れて、なめらかになるまで混ぜたらできあがり。一口飲むと、甘みと酸味が爽やかに口に広がり、アセロラ独特の青臭さもほんのり感じる。

美容に、疲労回復に、暑さ対策にと、子どもからお年寄りまで、幅広い年齢の人がこのアセローラフローズンを求めてやってくるのだという。「良いことずくめのアセロラは、本当にスーパーフルーツなんです!」と笑顔いっぱいに語る並里さん。彼女の元気の秘訣も、きっとアセロラにあるにちがいない。

Shop Data

アセローラフレッシュ直営店

住所/本部町並里52-2

電話/0980-47-2505

営業時間/9:00~17:00

定休日/無し(但し、年末年始を除く)

【くわしいShop情報はこちら】

写真・文 セソコマサユキ

独自の視点で沖縄の魅力を切り取る編集者
公式ウェブサイトはこちら

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